“アルマセニスタ”とは、シェリーを熟成させるが自社で商品化しないボデガのことを言います。
ルスタウ社は、ボデガが熟成させている素晴らしく品質の高いシェリーを、彼らに代わって商品化しています。
ラベルにはどこの誰が熟成させたか記載してあり、数時の分母はソレラの数を表しています。
アモンティリャード・デル・プエルト1/10は、フロールの優しい香りがし、ナッツやレーズンのような香りが熟成によってとても濃く奥行きのある味わいを作り出しています。
後味はドライで口の中がすっきりするようなキレがあります。
やや冷やして食前向き。
エミリオ・ルスタウル社 エミリオ・ルスタウ社は1896年にホセ・ルイス・ベルデホ氏によって創設されたシェリーメーカーです。
最初は熟成だけで出荷はしない、いわゆるアルマセニスタでしたが、その後、畑の中にあったボデガを ヘレスの町を囲むアラブの城壁脇に移したのが娘婿のエミリオ・ルスタウです。
1950年代になり、出荷もするメーカーとして、エミリオ・ルスタウ社を設立しました。
彼らは非常に個性豊かなシェリーを扱っており、中でもアルマセニスタ・シェリーは特別な価値を持つものです。
アルマセニスタは、古くからボデガ(ワイン熟成庫)を持ち、家族代々受け継がれてきたシェリーを200樽以上所有している人々を意味します。
彼らの多くは弁護士や医者、あるいは事業で成功し、趣味でボデガを持つ人であり、プライベートでオールドシェリーに投資をしています。
かつてはアルマセニスタは200人ほど登録されていましたが、その数は減少し、現在は50人を割っています。
また、1950年以前はエミリオ ・ルスタウ自身もアルマセニスタの一人でした。
一般的なシェリーは需要に合わせて大量に同じ味のシェリーを生産する必要があるため、生産メーカーは多くの生産者からシェリーを買い集めてブレンドし、さらにブレンド用のシェリー(甘さや色を整えるためのもの)を加えて、味の均一化と安定を図ります。
これに対して、アルマセニスタ・シェリーはブレンドを一切行わず、ソレラ システムの熟成が終わると軽い濾過だけ行って瓶詰めされます。
しかし、この個性豊かなシェリーは商品化されることはほとんどなく、アルマセニスタたちの個人消費用等に使用されます。
その希少なアルマセニスタのシェリーをエミリオ・ルスタウ社は個々に契約を結び、ラベルに彼らの名前、タイプ、ソレラの樽数(1/138、1/143等)を明記して製品化しました。
製品のタイプはアルマセニスタの数だけ違っており、その味わいは非常に繊細なものです。
※大手メーカーのソレラの樽数は1/10,000、1/30,000といったものです。